Web業界で働きたいけど「インハウス」と「代理店」ってどう違うの?
「結局、自分に合ってるのはどっちなんだろう…?」
そんな悩みを抱えていませんか?
求人情報を見ていると、どちらも魅力的に見えるし、仕事内容も似ているようで実はかなり違う…。でも、未知だとその「違い」がよくわからない、モヤモヤしたまま就職・転職活動を進めてしまいがちです。
また、転職エージェントでも「インハウス」と「代理店」の違いを理解している前提で紹介を進められるので、必ずご自身で理解しておく必要があります。
私、元々は代理店で勤務していて、転職しインハウスで現在勤務をしています。それぞれの特徴や違いを自ら経験し理解をしています。どのような人が向いていて、どのようなキャリアアップをしていくのかを私の視点からお伝えできればと思います。
この記事では、両方の立場を経験してきたWeb業界のリアルな声として、インハウスと代理店の「5つの決断的な違い」を徹底的に比較します 。
インハウスと代理店、それぞれの立ち位置とは?
Web業界で働くうえで、「インハウス」と「代理店」の違いを理解することはとても大切です。ここではまず、それぞれの基本的な立ち位置や役割について押さえておきましょう。
インハウスとは?
インハウスとは、「自社内でWebマーケティングや制作を行うチーム」のこと。たとえば、ECサイトを運営する企業や教育サービスを展開する会社などで、自社の商品やサービスを広めるために、社内に専門チームを置いて戦略を立てたり、サイト運営をしたりします。
特徴
- 対象は“自社のサービス”に限定
- 社内の他部署と連携しながら長期視点で施策を実行
- 施策の結果がダイレクトに会社全体に影響する
代理店とは?
一方で代理店は、クライアント(顧客)から依頼を受けて、Webサイトの制作や広告運用、マーケティング戦略の提案などを行う会社です。さまざまな業界・業種の企業を支援し、プロとしての知見を活かして課題解決に取り組むのが役割です。
特徴
- 複数のクライアント案件を並行して対応
- スピードと成果が重視される環境
- トレンドに強く、多様な業界経験が得られる
インハウスと代理店の「5つの決定的な違い」
1. 仕事の進め方・スピード感
インハウスは“じっくり型”、代理店は“スピード勝負”。
インハウスでは、自社の施策を中長期的に改善していくスタイルが多く、企画から実行、検証までを社内で丁寧に回していく傾向があります。一方で代理店は、複数のクライアント案件を並行して担当するため、スピードと成果が求められ、テンポ感のある仕事の進め方になります。
どちらが良い悪いではなく、「落ち着いて深掘りしたい」ならインハウス、「テンポよくガンガンこなしたい」なら代理店が向いているかもしれません。
2. 関われる業務の幅・専門性
インハウスは“幅広く担当”、代理店は“専門スキルで勝負”。
インハウスではマーケ担当が広告運用からLP改善、時にはSNS運用まで一貫して関わることも多く、業務の幅が広くなりやすいです。逆に代理店は、SEO、広告、デザイン、ディレクションなど役割分担が明確で、より専門性を深めやすい傾向があります。
「広く浅くを楽しみたい」ならインハウス、「深く極めたい領域がある」なら代理店がマッチするでしょう。
3. 成果との距離感・やりがいの質
インハウスは“自社の成長に直結”、代理店は“クライアントの成果に貢献”。
インハウスは、自分の施策がそのまま会社の売上や成長に直結する実感が得られやすく、社内のフィードバックも直接受け取れる点が魅力です。
一方、代理店ではクライアントの課題を解決し、「ありがとう」の声をもらえることがモチベーションになります。ただし、成果はクライアント次第な部分もあるため、やりがいの質は少し異なります。
どちらの「成果」に価値を感じるかで、やりがいの方向性も変わってきます。
4. 働き方・残業・ワークライフバランス
インハウスは“安定志向”、代理店は“変動あり”。
一般的に、インハウスの方が残業は少なめで、勤務時間が安定しやすい傾向があります。社内スケジュールで動くため、自分の裁量で調整しやすい点もポイントです。
一方で代理店は、クライアントの納期や要望に対応するため、残業が発生しやすい環境になることも。ただ、その分メリハリがあり、刺激的な職場も多いです。
家庭やライフスタイルとのバランスを重視するか、成長のために多少ハードでも経験を積みたいか、という視点で選ぶのがおすすめです。
5. 成長環境・キャリアの広がり方
インハウスは“深掘り型キャリア”、代理店は“転用可能なスキル獲得”。
インハウスでは、1つの業界・サービスに深く関わることで、その分野に特化したスペシャリストになれる可能性があります。組織の中でのキャリアアップや、サービス責任者を目指す道もあります。
一方、代理店は多様な業界・媒体・ツールを経験できるため、転職や独立に活かせる“横展開できるスキル”が身につくのが強みです。
将来どうキャリアを広げたいかによって、どちらを選ぶかが変わってきます。
あなたはどっち向き?タイプ別おすすめの働き方
インハウスと代理店、それぞれの違いがわかってきたら、次は「自分にはどちらが合っているか?」を考えてみましょう。
ここでは、よくあるタイプ別に向いている働き方をアドバイス形式で紹介します。性格やキャリア志向、ライフスタイルに照らし合わせて、あなたにフィットする選択肢を見つけてみましょう。
チームでじっくりPDCAを回したいタイプ → インハウス向き
- 1つのサービスや事業を深く理解しながら育てていきたい
- チームメンバーと連携し、時間をかけて成果を積み上げたい
- 自分の改善案が、長期的に会社の成長に貢献するのを実感したい
こんな人には、自社サービスに腰を据えて取り組めるインハウスがぴったり。
改善を繰り返しながらユーザー体験を磨いていくプロセスにやりがいを感じる人におすすめです。
多様な案件に関わってスキルを上げたいタイプ → 代理店向き
- 幅広い業界・案件に関わって経験を積みたい
- スピード感のある環境でスキルアップしていきたい
- 課題解決型の提案やコミュニケーションが得意
そんな人には、刺激の多い代理店での経験が成長につながります。
業界・メディアのトレンドに触れながら、自分の専門性を磨きたい人には理想的な環境です。
自己成長志向でバリバリ働きたい人 → 代理店がおすすめ
代理店では複数案件を担当することで、短期間で多くの実務経験を積めます。クライアント対応やプレゼン力、分析・改善提案のスキルなど、汎用性の高いスキルが身につくため、将来的に転職・独立を視野に入れている人にも向いています。
安定志向で落ち着いて働きたい人 → インハウスがおすすめ
生活リズムを整えたい、腰を据えて1つのサービスにじっくり向き合いたいという人にはインハウスがおすすめです。社内の調整だけで動けるため、ワークライフバランスを重視した働き方がしやすく、家族との時間や副業との両立を目指す人にも合っています。
決め手がわからない…という人へ
「どっちも気になる」「自分にまだピンとこない…」という方は、職場の環境や上司・チームのスタンスも判断材料にしてみてください。同じ“インハウス”でも、ベンチャーと大手では働き方が大きく異なることもあります。
まずは自分の価値観やキャリアビジョンを明確にし、それに合う環境を選ぶことが大切です。
どちらを選んでも「自分の軸」があれば大丈夫
ここまでインハウスと代理店の違いや、それぞれに向いているタイプを紹介してきましたが、最も大切なのは「どちらを選ぶか」ではなく、自分がどんな価値観で働きたいのかという“軸”を持つことです。
「スキルを磨きたい」「家族との時間を大切にしたい」「サービスに深く関わりたい」など、あなたが何を重視するかによって、選ぶ道は変わって当然かと思います。
どちらにもメリット・デメリットはあり、絶対的な正解はありません。
代理店からインハウスに行くときの注意点・準備
ちなみに、「代理店でスキルを磨いてからインハウスへ」というキャリアパスはとても一般的です。
ただし、インハウスに転職する際は、以下の点に注意しておくとスムーズです。
代理店ほどのスピードや多様性は求められないこともあるため、ペースの変化を前向きに捉えましょう。
代理店では「クライアント視点」、インハウスでは「事業責任視点」で判断する必要があるため、視座を変える意識が重要です。
特定領域に強い人でも、社内ではマーケ以外の相談や業務が舞い込むことも。柔軟性が求められます。
これらを理解したうえで転職を検討すれば、インハウスでの活躍もしやすくなるかと思います。
迷っているあなたへ、N@k1chiからひと言。

私自身、どちらの働き方にも魅力と課題があることを、実体験から感じてきました。
正直、最初は不安もありました。「自分に合わなかったらどうしよう」「失敗したらキャリアに響くかも」…そんな気持ちもよくわかります。
でも実際に働いてみて思うのは、どちらを選んだとしても、自分なりの“軸”があれば、キャリアは必ず前に進むということ。
今の選択が「絶対の正解」じゃなくても大丈夫。
あなたが何を大切にして、どんな未来を描きたいか――
その“想い”こそが、最高のキャリアコンパスになるはずです。
ぜひ、自分のペースで、一歩ずつ進んでいってください。
インハウスと代理店、どちらも正解。その違いを知って選ぼう!
ここまで、インハウスと代理店の違いや、それぞれの特徴・向いている人のタイプなどを紹介してきました。
最後に、この記事の要点を振り返りつつ、自分に合った働き方を見つけるための“軸チェックリスト”をお届けします。
要点まとめ(5つの違い)
- 仕事の進め方:
インハウスはじっくり、代理店はスピード重視 - 業務の幅と専門性:
インハウスは広く浅く、代理店は深く狭く - 成果の距離感とやりがい:
インハウスは自社貢献、代理店はクライアント支援 - 働き方とバランス:
インハウスは安定志向、代理店は変動的で刺激的 - キャリアの広がり方:
インハウスは深掘り型、代理店は転用可能なスキル
自分に合った働き方を選ぶための“軸チェックリスト”
あなたはどっちのタイプ?YESが多い方が向いている可能性アリ!
- 長期的に1つのサービスを育てたい
- 社内で腰を据えて働きたい
- ワークライフバランスを大事にしたい
- チームでじっくりPDCAを回したい
- 安定した環境で働きたい
- 多様な業界や案件に関わりたい
- スピード感ある環境で成長したい
- プレゼンや提案が好き
- 専門スキルを高めてキャリアの幅を広げたい
- 将来的に独立・転職も視野に入れている
関連記事のご案内
最後にひとこと

インハウスと代理店、どちらを選んでも“間違い”ではありません。
大切なのは、あなたが「どんな働き方をしたいか」を知ること。
この記事が、あなたのキャリア選択のヒントになれば嬉しいです!