「誰かいるの?」「誰と話してるの?」
私は子どもの頃から独り言が多く、兄からよくこんなことを言われていました。大人になってからも変わらず、今では妻から同じことを言われることがあります。
でも振り返ってみると、私はただ独り言を言っていたわけではありません。
「あの時は、あれが最善だったかな?」
「どうしてそうなったんだっけ?」
「今日学んだことは?」
「明日はどうしていこう?」
「さあ!どうする、N@k1chi!」
そんなふうに自分へ問いかけながら、出来事を振り返ったり、気持ちを整理したり、次の行動を考えたりしていました。
最近になって「セルフコーチング」という言葉を知り、気づいたことがあります。
私はずっと前から、自然と自分自身との対話を続けていたのかもしれない。
この記事では、セルフコーチングとは何か、私が実際にどのように自分へ問いかけているのかを、子どもの頃から仕事、ブログでの経験まで交えながら紹介します。
特別な道具や難しい知識は必要ありません。
まずは今日あった出来事を一つ振り返り、自分自身に問いかけてみる。そんな小さな習慣から、自分の見方や次の行動が少しずつ変わっていくかもしれません。
セルフコーチングとは?自分自身との対話で考えを整理する方法
セルフコーチングとは、自分自身に問いかけながら、考えや感情を整理し、次の行動につなげていく方法です。
一般的なコーチングでは、コーチとの対話を通じて「本当はどうしたいのか」「そのために何ができるのか」といった答えを引き出していきます。
一方、セルフコーチングでは、その役割を自分自身で行います。
たとえば、仕事でうまくいかないことがあったとき、
「なんでうまくいかなかったんだろう?」
「本当の原因は何だろう?」
「次に同じことが起きたら、どうする?」
と自分に問いかけてみる。
すると、「失敗した」「嫌なことがあった」で終わっていた出来事から、原因や改善点、次にできることが少しずつ見えてきます。
セルフコーチングと独り言は何が違う?
私は一人になると、よく独り言を言います。
しかし、独り言を言うこと自体がセルフコーチングというわけではありません。
大切なのは、自分に問いを投げかけ、そこから考えを深めていくことだと思います。
「今日は最悪だったな」で終わるのではなく、
「なぜ最悪だと感じたんだろう?」
「そこから学べることはなかったかな?」
「明日はどうしてみよう?」
と、もう一歩踏み込んで考えてみる。
つまり私にとってセルフコーチングとは、単なる反省会ではありません。
過去を振り返り、今の自分を知り、次の行動を考えるための「自分との対話」なのです。
振り返ると、私は昔からセルフコーチングをしていた
セルフコーチングという言葉を知ったのは最近ですが、振り返ってみると、私は子どもの頃から自然と自分に問いかける習慣がありました。
子どもの頃から「自分との対話」が多かった
5〜6歳くらいの頃から、とにかく独り言が多い子どもでした。
「今日はお父さん、機嫌悪かったな。何かしたかな?」
そんなことを一人でブツブツ考えているので、兄から「誰かいるの?」「誰と話してるの?」と心配されたこともあります。
当時はもちろん、セルフコーチングなんて言葉は知りません。
ただ、身の回りで起きたことに対して「なぜだろう?」と考えることが自然な習慣になっていたのだと思います。
陸上では、自分で自分を励ましていた
学生時代に陸上競技をしていた頃も、一人で走る時間にはよく自分へ話しかけていました。
長距離の練習は、楽なことばかりではありません。
苦しくなったときには、
「キツいけど、きっと報われる」
と自分に言い聞かせながら走っていました。
誰かに励ましてもらうのではなく、苦しいときに自分で自分を前へ進ませる。
今振り返ると、これも私なりのセルフコーチングだったのかもしれません。
仕事では「一人の事前会議」をしている
そして現在、仕事でもこの習慣は変わっていません。
私はプレゼンや大切な会議の前になると、一人で会議室に入り、本番と同じように最初から最後まで話してみることがあります。
そこで終わりではありません。
「ここは、もう少し違う言い方の方が伝わりそうだな」
「ここは深掘りされそうだから、補足資料を準備しておこう」
と、また一人でブツブツ言いながら内容をブラッシュアップしていきます。
こうして振り返ってみると、子どもの頃も、陸上をしていた頃も、仕事をしている今も、やっていることは意外と変わっていません。
自分に問いかけ、自分なりの答えを考え、次の行動につなげる。
私にとってセルフコーチングは、新しく身につけた特別な技術ではなく、昔から続けてきた「自分との対話」に、あとから名前がついたものだったのです。
私がセルフコーチングで自分に問いかけていること
では、実際に私はどんなことを自分に問いかけているのか。
改めて普段の独り言を書き出してみると、大きく「過去を振り返る」「今の自分を認める」「未来を考える」の3つに分かれていることに気づきました。
① 過去を振り返る
一日の終わりや何か出来事があったときには、こんなことを考えます。
「今日学んだことは?」
「あの時は、あれが最善策だったかな?」
「どうしてそうなったんだっけ?」
「今日、あんなことがあったけど、何か学べることはなかったかな?」
ここで大切にしているのは、ただ反省するだけで終わらせないことです。
うまくいかなかった出来事も、「失敗した」で終わらせず、そこから一つでも学べることを探してみる。
そうすると、嫌だった出来事も次に活かすための経験に変わっていきます。
② 今の自分を認める
振り返るというと、できなかったことや反省点ばかり探してしまいがちです。
でも私は、自分を認めることも大切にしています。
「今日も一日頑張った!」
「今でも十分幸せだよな」
「今日はどんな良い一日だったかな?」
以前の私は、「まだ足りない」「もっと成長しなければ」と、足りないものを探すことが多かったように思います。
もちろん成長したい気持ちは今もあります。
それでも、今あるものや、今日できたことにも目を向けられるようになると、必要以上に焦らなくなりました。
③ 未来を考える
そして最後は、これからどうするかです。
「明日はこうしていこう!」
「次はどうすれば、もっと良くなる?」
「さあ!どうする、ナオキチ!」
過去を振り返るだけでは、現実は変わりません。
そこから何を学び、次にどう行動するかまで考えることで、初めて振り返った経験が活きてくるのだと思います。
過去を振り返る。今の自分を認める。そして、未来の行動を考える。
私はこの3つを意識的に始めたわけではありません。
でも、自分との対話を繰り返してきたことで、少しずつ物事の捉え方や次の行動を変えられるようになったと感じています。
仕事でも使っている3つの問い「本質は?」「数値的根拠は?」「で!どうなる?」
セルフコーチングは、日々の振り返りだけでなく、仕事でも役立っていると感じます。
私はマーケティングの仕事をしているため、社内外からさまざまな提案を受けたり、自分自身が施策を考えたりする機会があります。
そんなとき、よく自分に問いかけているのが、この3つです。
「本質は?」
「数値的根拠は?」
「で!どうなる?」
まず「本質は?」と問いかけることで、目の前の施策や手段だけにとらわれず、「そもそも何を解決したいのか」を考えます。
次に「数値的根拠は?」。
「なんとなく良さそう」ではなく、データや事実をもとに、本当にその判断が妥当なのかを考えます。
そして、私が特に大切にしているのが、
「で!どうなる?」
です。
どれだけ魅力的な施策でも、実行した先に何が起こるのかが見えなければ、判断することはできません。
「この施策を実施すると、ユーザーの行動はどう変わるのか?」
「その結果、どの数値が改善するのか?」
「最終的に、売上や成果にどうつながるのか?」
提案を受けたときだけではなく、自分が何かを考えるときにも、この問いを自分自身に投げかけています。
セルフコーチングというと、気持ちを整理したり、自分の将来について考えたりするものをイメージするかもしれません。
しかし私は、仕事で判断するときに、自分の思考をもう一段深く掘り下げるための方法としても活用しています。
答えをすぐに出そうとするのではなく、一度自分に問いかけてみる。
その小さな習慣が、思い込みだけで判断せず、より良い選択肢を考えるきっかけになっているのだと思います。
セルフコーチングを続けて変わったこと
私は子どもの頃から自然と自分との対話を続けてきたので、「セルフコーチングを始めたら、突然人生が変わった」というわけではありません。
それでも振り返ってみると、昔と比べて物事の捉え方は大きく変わったと感じています。
嫌な出来事も「次に活かせる経験」と考えられるようになった
仕事でも日常生活でも、嫌なことや、うまくいかないことはあります。
以前なら「なんでこんなことになったんだ」と、その出来事だけに目を向けてしまうこともありました。
でも今は、
「なぜこうなったんだろう?」
「ここから学べることは何だろう?」
「次に同じことが起きたら、どうしよう?」
と考えるようになりました。
起きてしまった出来事は変えられません。
それでも、その経験を次にどう活かすかは自分で選ぶことができます。
そう考えられるようになったことで、嫌な出来事も自分を成長させる一つの経験として受け止められるようになりました。
「まだ足りない」から「今あるもの」に目を向けられるようになった
もう一つ、大きく変わったのが自分自身の見方です。
以前の私は、
「まだ足りない」
「もっと成長しなければ」
「もっと探さなければ」
と、持っていないものばかりを探していたように思います。
しかし、自分との対話を重ねる中で、これまでやってきたことを振り返る機会も増えました。
すると、
「自分なりに、結構頑張ってきたな」
「今こうしていられるのも、いろいろな人のおかげだな」
「考えてみれば、今でも十分幸せだよな」
と思えるようになりました。
私が大切にしている言葉の一つに、「足るを知る」があります。
今の自分を認めることは、成長を止めることではありません。
私は最近、「○○になりたい」よりも「○○になっている」と考えることを大切にしています。
「なりたい」と考えると、どうしても今の自分に足りないものを探してしまいます。一方で「なっている」と考えると、今の自分がすでに持っているものに目を向けたうえで、「では、次にどう行動しよう?」と考えられます。
今の自分を認めることと、成長し続けることは両立できる。
私にとって「足るを知る」とは、そこで満足して立ち止まることではなく、今あるものに気づき、感謝しながら次へ進むことなのだと思います。
むしろ「足りない」という焦りが少なくなったことで心に余裕が生まれ、以前よりも自分に自信を持って、次のことに挑戦できるようになったと感じています。
そして最近は、成長するための材料は遠くに探しに行かなくても、意外と目の前にたくさんあることにも気づきました。
今日起きたこと、うまくいかなかったこと、誰かから言われた一言。
目の前の出来事に問いを持つだけでも、そこには自分を成長させるヒントが隠れている。
それに気づけるようになったことが、私にとってセルフコーチングを続けてきた一番大きな変化なのかもしれません。
セルフコーチングを習慣にする方法
セルフコーチングと聞くと、「ノートに書かなければいけない」「特別な時間を作らなければいけない」と難しく感じるかもしれません。
でも、私はもっと気軽に始めていいと思っています。
実際、私の場合はノートを用意しているわけでも、毎日決まった時間に取り組んでいるわけでもありません。
朝、妻と子どもが出かけて一人になったとき。夜、家族が寝たあと。一人で歩いているとき。
そんな何気ない時間に、自分へ問いかけています。
まずは「今日の出来事」を一つ振り返る
最初から深い質問をする必要はありません。
まずは、その日に起きた出来事を一つ思い出してみてください。
そして、
「なぜ、私はあのとき嬉しかったんだろう?」
「なぜ、あの一言にイライラしたんだろう?」
「今日の出来事から学べることは何だろう?」
と、一つだけ問いを加えてみます。
たったそれだけでも、出来事をそのまま受け止めていたときとは違う見方ができることがあります。
頭の中だけで終わらせず、言葉にしてみる
私の場合は独り言ですが、方法は何でも構いません。
ノートに書いてもいいですし、ブログを書いてもいい。誰かとの対話を通じて、自分の考えを整理する方法もあります。
私自身、ブログを書くことで自分の経験を深掘りできるようになりました。また、対話を重ねながら考えを言葉にすることで、「自分はこんなことを考えていたのか」と初めて気づくこともあります。
大切なのは、頭の中だけで考え続けるのではなく、一度言葉として外に出してみることだと思います。
最後は「次にどうする?」で終える
そして、振り返ったあとは、
「じゃあ、次はどうする?」
と自分に問いかけてみます。
セルフコーチングは、自分を責めるための反省会ではありません。
うまくいかなかったことがあっても、原因を考え、そこから一つ学び、次の行動を決める。
逆に良いことがあったなら、「なぜうまくいったのだろう?」と考えれば、次に再現できるかもしれません。
毎日完璧に続ける必要もありません。
一人になったときに、今日の出来事を一つ振り返り、自分に一つ問いかけてみる。
それくらいから始める方が、セルフコーチングを無理なく習慣にできるのではないかと思います。
まとめ|自分への問いかけが、次の行動を変えていく
セルフコーチングについて改めて考えてみると、私にとっては特別な技術というより、昔から続けてきた「自分との対話」だったことに気づきました。
過去を振り返る。
今の自分を認める。
そして、未来を考える。
この繰り返しが、嫌な出来事を学びに変えたり、自分を認めたり、次の行動を考えたりすることにつながってきたのだと思います。
たとえば、仕事で上司から何か言われて、
「上司、ムカつく!」
と思うことがあったとします。
そこで終わるのではなく、
「なんで上司はあんなことを言ったんだろう?」
「なんで私は、あんなに腹が立ったんだろう?」
と少しだけ視点を変えてみる。
冷静に振り返ってみると、「そういえば、直前に大変な打ち合わせをしていたな」「あのタイミングで相談しなくても良かったかもしれない」と、最初は見えていなかったことに気づく場合があります。
もちろん、すべてを自分の責任にする必要はありません。
相手を変えることはできなくても、自分の見方や次の振る舞いは変えることができます。
だからこそ、まずは今日あった出来事を一つだけ振り返ってみてください。
「今日、何を感じた?」
「そこから何を学んだ?」
「じゃあ、明日はどうする?」
自分に問いかけるだけなら、今日からでも始められます。
そして最後には、
「今日も一日頑張った」
と、今の自分を認めることも忘れないでください。
自分自身との小さな対話の積み重ねが、これからの自分を少しずつ変えていくのだと思います。

